釈迦嶺

2002年の記録
10月5日(土)から6日(日)
今日は単独で釈迦嶺(1175m)に登った。

前日の夜の天気予報によると今日は晴天、明日は晴のち曇りである。

家人には、釈迦嶺のHPのページのコピーを渡してきた。

この山の位置は、冠山の南西で、金草岳の南南西である。

冠山方面に向かい、途中で左へ折れる。(高倉峠へ)分かれ道に看板があったが、倒れていたため、起こして写した。

追記:2003年11月8日(土)リベンジ成功
右へ行くと冠峠。左へ行くと高倉峠。分岐に看板があるが、倒れていたのを立てたものなのでまた倒れると思う。
高倉峠(福井県との県境であるが、福井県側には通行止めで行けない)。
アスファルトの道を進めると、右へ大きくカーブする左側に登山者へ注意を呼びかける看板があった。ここがウソ越であった。
どうもここが登山道へ向かう林道の入り口らしい。ウソ越というらしいが標識はない。さらに車を進めると、途中でアスファルトからでこぼこ道に変わる。しかし、数十mもいくと、高倉峠になる。やはり先ほどのところがウソ越だ。引き返して、路肩に駐車。道幅は広いのでゆうに置ける。身支度して10:06に出発。今日は藪山なのでビバークもあり得ると思い、それなりの装備を準備して出発した。

本日持参したもの

おにぎり…3個
カップうどん…1個
250mlペットボトル…4本
凍らした飲料水…1個
栄養ドリンク…1本
ミカン…2個
着替え下着…1
防水ウィンドブレーカー…1着
ゴーグル・くもり止め液・熊よけの鈴・換え靴ひも・ビニルテープ赤と黄色・タオル6枚
ガス・コッヘル
救急医薬品
方位磁針・ラジオ・懐中電灯・高度計(時刻・温度もはかれる)
予備の乾電池・デジカメ
ストック・スパッツ・手袋
この山のHPの記事2種類のプリントアウト
林道は荒れていて、車での進入は難しい。10分ほど歩くと、左カーブの右に駐車スペース。さらに進むと、右側に広い駐車スペース。ここから左前方に冠山、左に金草岳がのぞまれる。林道は、笹に覆われ次第に足下さえ見えないほどになる。ついには藪に覆われた石段の山道に変わる。
しばらく進むと、左に谷がある。直進もできそうではあるが、赤布が左にあるため、この谷を登ることにする。しかし、濡れているためつかむところもなく滑りやすい。しかたなく左側を谷から離れず登る。木の根や枝をつかみながら急登を登る。やっとの事で尾根に出るが、ここもすごい藪。左折し、尾根登りとなる。100%藪山であることを実感する。
最初は古い赤布が多いが、次第に新しい赤布が増えてくる。わかりにくいところには、持参した赤ビニルテープを巻いた。座るスペースも見つからないほどの藪道で最初の鞍部で昼食とし、おにぎりを1個半食べ栄養ドリンクを飲む。その後3つほどの鞍部を過ぎると、急登の藪こぎである。
要所要所に赤い布があり、安心できる。しかし、藪こぎのため骨が折れ時間はかかる。鳥のような形をした倒木の幹に出くわした。高度計を見ると1120mになっている。時刻は14時40分である。後もう少しで頂上であるが、眺望は望めない山だそうなので、ここであきらめ戻ることにする。
ところが、ここでもう下山路に困ってしまった。辺りをよく見て右に下り気味に行くことに気づく。少し下ったところは平らになっていて、ここも迷いやすかった。
もうしばらく下り、木の枝があるところで完全に迷ってしまった。この周辺には新しい赤布が2つと次に古い赤布が1つある。この古い赤布が、左折気味につけてあるので、左折するものと思い、そこらを見ると、踏み跡らしきところがいくつかある。(西南西方面)。時刻を見ると15時である。高度計は1040mを示している。いよいよ焦るが、この木を起点に持参した黄色ビニルテープをつけながら、あちこち赤布を探したが、どうにも見つからない。いよいよ16時となった。携帯電話で自宅に連絡をとるが、なかなかつながらない。少し場所を移動したところでようやくつながったので今夜はここでビバークすること、高度は1040m地点、飲料水や食料は十分あることも手短に伝える。
この古い赤布の木の枝にちょうどハンモックになりそうな枝があるためここに寝ることにする。暗くなる前に着替え、ウィンドブレーカーを着て、半分のおにぎりを食べるなどして夜に備える。17時ごろから暗くなりいよいよ夜を迎える。
ラジオをつけっぱなしにしていたので、気分的には安心できるが、次第に寒くなってきた。乾いたタオルを体に巻いた。20時頃、気温は20度。真夜中、星は期待はずれで、平地とほとんど変わらない。曇っているようだ。2時頃風が出てきた。最低気温は15度。だいたいが17度から18度であった。
ラジオでは、人生相談などのトークをやっていて、気が紛れた。
30分ほど寝てまた30分ほど起きることをくり返し朝を迎えた。

6時半、辺りが明るくなってきたのでお湯を沸かし、カップうどんを食べ冷えた体を温めた。昨日の続きで赤布を探し始めたが、どうにも見つからない。ガスが出てきてしかも天気予報では午後から雨だという。しばらく休憩した後、ひょっとしてと思い、少ししか探さなかった右斜め前(西北西方面)へ下ってみると、ずいぶん向こうに赤布があるではないか。早速携帯で登山路を見つけたことを知らせるため連絡を取るが不通である。そこで下ることにし、私を迷わした赤布は、右へ移動させた。しかし、左折する辺りは私が踏みあらし、しかも黄色いテープがあるので、そちらへは絶対に行かないこと。あくまでも赤布、赤ビニルテープを目印とすること。
あとは、あわてずに注意して下り、登りと同じ、最初の鞍部で休憩して下りてきた。
私にとって貴重な体験ができた山歩記であった。
帰りに白龍の湯に入ってビバーク疲れをとった。帰宅して、熊よけの鈴がないことに気がついた。

後日、インターネットでこの山について調べていたら、なんと、私より2週間ほど前(9月22・23日)、この山に登り、私と同じところでビバークした人がいたのだ。この方は、西へ強引に下り、4時間かかって下山されたそうだ。

追記:後日、インターネットで知ったことだが、11月2日〜7日にかけての遭難報告もあった。