雨乞岳
 
1999年の記録

6月12日(土)晴
この日は、車で石榑峠を越え、滋賀県の永源寺町甲津畑へフジキリ谷を南東へしばらく行ったところで川を横切る手前のカーブのところで駐車。1時間ほど砂利の林道を歩いた所で小さな橋を渡りいよいよ登山道へ。小型の車であれば、桜地蔵尊までは、入ってこれそうである。私の愛車はビッグホーンのため無理であった。桜地蔵まで入ってくると、登山道までは10分ぐらいだろう。
さて、つるべ谷は川を何度も渡るため、道に迷わないように。つるべ谷では、イワナを釣りに来ていた人がいた。いよいよつるべ谷を離れ大峠へ。ここから東へは、切り立った崖を右手に見下ろして急登。しばらくして清水頭まではわりと楽な縦走コース。子犬大の獣が急坂を駆け降りていった。清水頭は一面笹の原。めざす雨乞岳がおいでおいでと呼んでいる。しばらくは歩きやすいのだが、雨乞岳までのわずかな道のりは笹に覆われて道が分からない。上の方では別ルートから登った人の声が聞こえてくる。一気に駆け上がるとそこはもう頂上。数グループが休憩していた。ここまでくるのになんと4時間55分。途中テープを巻きながらの道のりであったためであろう。帰路は、杉峠経由であるが、雨乞岳から30秒ほど北へ行き、池をすぐ左折しなければいけないのに、直進したため(テープもあったため紛らわしい)迷ってしまった。引き返して池のあたりをよく見ると左折する道があったのだ。稜線を歩くことを忘れないことがポイントだ。杉峠に着く少し手前から急な下り道。そこを下ると杉峠である。先週見た杉とはちがって小振りである。西へ下るとすぐの所に「熊に注意」の標識。そこから鉱山跡、蓮如上人遺跡を通って桜地蔵尊へ。この道は峠道だけあってまったく歩きやすい。往復8時間50分の長距離であった。
蓮如上人遺跡そばの巨木

7月11日(日)晴
 今日は、1ヶ月ぶりの山行である。今日は、先月歩いた杉峠から東を歩いてみたかったので、武平峠に車を止め、クラ谷を通って、東雨乞岳経由で雨乞岳へ。そこから先月と同じ道を通って杉峠へ。ここから東へ降りてコクイ谷・沢谷経由で武平峠へというコースである。杉峠を20分ほど下ったところで下から登ってくる人に出会った。そこで、私の考えているルートはどうであったか尋ねたところ、なんと私の考えているルートと同じルートでコクイ谷を通って武平峠へ行こうとしたのだが、コクイ谷出合いからしばらく行ったところまで行ったのだが、道が分からなくなったので雨乞岳に戻りクラ谷から帰るとのこと。そこで、地図を見ると沢歩きが多いようだ。
沢歩きと言えば、北勢町の青川を通って治田峠へ行ったときや、杠葉尾の茨川から治田峠へ行ったとき、また藤原岳から西尾根を通って茨川へ降りてくるときなども沢歩きが多く迷いやすかったことを思い出した。
出会ったその人はテープを使い切ったと言ってみえたが、幸い私はまだたくさん残っていたため、強行してみることにする。
 たしかに、根の平峠分岐まではなんとか分かるが、沢歩きはテープがほとんどない。私もかなりつけながら下ってきたが、途中、岩を下へ降りるところがあったり、瀧がありその手前で左へ曲がるところなどわかりにくい所が多かった。基本的には、沢を離れずに歩くことだ。沢谷分岐(コクイ谷分岐)まで来て、ほっと一息ついていると、途中で出会った人がクラ谷から降りてきて、私が無事に着いたことを知り、自分も行けばよかったと言ってみえた。また機会を見て歩きたいとのこと。ここからあとは往路と同じ。往復7時間の行程であった。

 
11月13日(土)※7月11日と同じコース
武平峠からクラ谷コースで雨乞岳へ登り、杉峠経由で北回り、コクイ谷・沢谷経由で武平峠へ
今日は総勢11名で雨乞岳へ。往路は、約3時間。山の中腹の紅葉が素晴らしい。念仏はげあたりでは、葉が落ちていて枯れ枝である。
頂上で、帰路に杉峠コースもあることを提案したところ、2名で行くことになる。杉峠までは急降下。右折して東へ歩きやすい道。(途中、鉱山掘りの宿舎跡の石垣、神社らしきもの等)少し大きな沢に出るが、渡って左斜め前方に「→御在所」の指道標。この標識に従って御在所方面へ向かう。コクイ谷出合では、上水晶谷とコクイ谷・沢谷の指道標があり、右折する。(南進する)ここまでは道はまだ分かりやすかったが、この後がたいへん。踏み跡が不明なのである。しかし、最近、ここを通った人が幾人かあるらしく、各種テープがそこそこあり見失わないこと。沢谷と黒谷との分岐点まで来る。沢谷をとること。(右折すること)しばらく行くと、二俣に出る。二つの沢の真ん中を山へ登って行くとちょっとした滝に出る。その滝の上を渡ると、また二俣になる。なんと、両方にテープが付いているが、左に行くことにする。倒木を越えさらに進むと、行きに通った道と合流する。復路は、武平峠まで3時間25分であった。

雨乞岳の登山コースは、一般的には武平峠の滋賀県側に駐車し、沢谷峠、クラ谷、東雨乞岳、雨乞岳と登るコースである。このコースは何度も登っているが、最初と最後が急登である他は傾斜も緩く、奥深い山歩きが楽しめる。

さて、この他に、スカイラインを滋賀県側に少し下ってイナガ谷から登るコースもおもしろい。最初、いきなり渡河する。しばらく行くと急登。なだらかになると、沢歩きのため道に迷いやすい。その後再び急登の連続であり、一気に東雨乞岳と雨乞岳の間に出る。まったく趣の違うルートである。